PHPの重大な脆弱性とセキュリティパッチ(2026年10月)

2026年10月21日、PHP 8.3.36が公開された1。

今回のリリースは、認証前のリモートコード実行(RCE)につながり得る、以下のCritical(i.e. CVSS 4.0: 9.2)な脆弱性2件への修正を含む:

  • CVE-2026-109618: メモリ不足(OOM)発生時の異常処理によってリクエスト状態が破損する問題。細工されたHTTPリクエストで誘発でき、アプリケーションの認証処理以前に到達し得る。
  • CVE-2026-109619: PHPのワーカープロセスが複数のリクエストを処理する際、解放済みメモリへのアクセス(Use-after-free)が発生する問題。

いずれもApatch等のモジュール版やPHP-FPMにも影響する。特に後者は、ワーカーを長時間再利用するサーバー構成で問題となる。ただし、前者についてPHP-FPMでの完全な攻撃実証は確認されていない。

PHPとWordPressは切っても切れない関係なのでそれについても触れると、WordPress自体を更新するだけではPHP本体の脆弱性は修正されない。

また最近のPHP 8.3セキュリティ更新内容は以下のようである:

バージョン公開日主な内容
8.3.332026/7/30更新前の稼働バージョン
8.3.352026/9/24SOAP、OpenSSL、HTTPストリーム等の脆弱性12件を修正
8.3.362026/10/21CriticalのRCE関連脆弱性2件を修正

※尚、8.3.34はリリースされていない。

  1. PHPは出版社ではない方、インタプリタ・プログラム言語。また、8.2, 8.3, 8.4, 8.5それぞれでパッチバージョンは異なるが、ここでは8.3を前提とする。