PCスタンドと評価経済

本日のお題は特に無し. なのでなんてことはない, ついさっきまで二つのPCスタンドの内どちらを買うかでずいぶん悩んでいて, ついに買った話を書きます.

元々私は頸椎ヘルニアがあって, 長時間の作業中少し頭を上に向けておきたいのと, ラップトップが浮くと下側にノートが差し込めて机が広く使えるというので検討していた.

結果, 200円ばかり高い方を買った.

面白いことに, スペックだけ見ると値段以外は全く同じ商品で, 実際次のような状況であった:

商品A商品B(購入した方)
商品コードAとは異なる
商品説明Aと同一
写真の内容Aと同一
写真の個数と並び順Aと同一
重量Aと同一
生産地Aと同一
値段Aより200円高い
レヴュー評価(5段階)Aより0.5~1.0ポイント高い
レヴュー数Aの50%強

どちらを選ぶかについてどれが正解ということはないが, (現代社会の) 商品価値基準に沿って「価値が高いものを」と考えれば答えがBであることは疑いが無かった.

昔から対象となる商品の評価が価値(の一部)であることは当たり前だったが, その逆の「価値があれば評価は (当然) 上がっているはずである」または「評価が価値の前提となる」という状況は, ネットが流通するまでは無理筋の論理であっただろう. 実際のところネット無しに (極めて少数の例外を除いて) 市民が商品を認知すること自体できないので評価ができないからである.

上記の状況を踏まえると, ともすれば「レヴュー評価が高い方が価値が高い」と単純に結論付けることもできる. 恐らくそれは部分的に正しいが, 次のような考察をしてみると, レヴュー評価が価値の一部でしかないことが分かると思う:

  1. 販売者の立場からすれば, (既に)評価が高いBはもっと売れて欲しいし, 高い評価をされ続けて欲しい. よって仮に倉庫に2つ在庫があったとして, 同時期にA経由, B経由それぞれで注文があった場合, B経由の方に新しい又は目視では保管状況が良い在庫商品の方をわざわざ選んで送る可能性が高い.
  2. Bの方が値段が高く評価数も少ないのに高評価を得ているということは, 再掲商品である可能性が高い. つまりパッケージだけ変えて再販することでブランディングをしている可能性が高い. この場合1の仮説を支持することになり, 尚更B経由での商品に状態の良いものが届く可能性が高くなる.

現代は値段よりも重要な価値基準が確かに存在して, それは評価と一言でまとめられるけれども, その多次元に亘る影響は販売側の心理も左右するはずであるという考察によれば, 安い方が価値が低い可能性もあることは留意する点である.