読図信仰

注意: 読図は好きなら良いと思います。以下はあくまで個人の意見です。

とある年配の登山者の話を聞いて。

自分としては道迷いに限定すれば、GPSをちゃんと携行してバッテリー対策をしていれば、読図はそこまで要らないと思った。

そもそも”紙の地図”という観点では、嵩張ったり、風に煽られたり、手袋だと扱いにくかったり、様々な問題が指摘されている。

電子地図の場合、今は基本的に自動的にGPSとセットになっている。

それからこれはクライミングの文脈だが、如何にセキュリティ・プロセスを繰り返し練習し、最適化し、経験を積んでもミスる時はミスる。道具のチェックを一つ怠っただけの一度のミスで死である。その様な事例はある(Todd Skinner等)。

今は「システム」で制御できるような安全マージンの取り方の方が推奨される(これは近代のロープワーク、例えばユマリングからラペルに移行する手順等にも表れている)。

クライミング程のリスクヘッジが不要な現代の通常登山では、読図の出来なさより長時間の活動による意識低下や、日常的な道具のメンテナンス不備の方がむしろシビアな影響があると経験則で思っている。

専門家がどう言うかは知らない。
もし目の前でお小言を言われれば、わざわざ持論を表明する事などしないだろう。

ともかくとして、時代は進んでいるので、色々な技術、知見を活用し、コンフォートゾーンを安定的に広げる工夫をしていきたいものだ。