入門しました。
今回(に限らず)ノート形式でトピックを絞らず書いてるので余り見やすくはないかなぁ。いずれ整理します。
ガロアコホモロジーのKummer理論への応用が面白い。専門でもないけど、Whitney–Grausteinの定理をちゃんと理解したい。また次回。
prop. 群Gと体Kを固定する(Homを書くときKは省略する). と同一視した時, これらはGの同じ表現を与える.
pf. まず上の同型を示す. に対し,
と置けば, だから. 逆には全てのの行先で決まり, これをと書くと, によっての元と見做せる. これらのV上のK線形性は明らかだろう. 以上で
が示せた. 今, の自然な表現をそれぞれとする(V, Wは始めからGの表現空間として, 特に断りなくgv, g’w等と書く).
このとき,
これでが同型を通じて同じ表現であることが示せた■
def(intertwiner). をGの表現とする. このときがintertwining作用素であるとは,
が成り立つときを言う. Tが可逆なら, VとWは同値な表現といい, と表す. でintertwining作用素全体を表す.
lemma. をGの有限次表現とする. このときが成り立つ(はG不変元全体の集合).
pf. に対し, だから, はのG不変元の全体である(特にG部分表現になる).
上のKベクトル空間としての同型
によってGの表現空間として同一視できるから, も表現空間として同一視できる(G不変元の全体はベクトル空間として部分空間になり, 特に表現空間として部分表現になることに注意). 上の同型の制限写像をと置く. 有限次表現を仮定してるから, Kベクトル空間としての基底が存在し, はそれに関する正則表現行列で表される. それらも同じ記号で書けば, 同型で写りあう基底への作用が同じだから,
が可換になる. 以上でが示された■
Lemma(Schur). をGの有限次既約表現とする. このとき,
が成り立つ.
省略■
※有限次元表現に関して, 既約表現⊂分解不能表現が成り立つ. 実際, 定義から有限次元表現の直和因子は部分表現だから, 直和因子⊂部分表現が成り立ち, 対偶により逆の包含関係が必ずしも成り立たないことが示せる.
prop. Rを実数体とするとき,
pf. Rは体だから, 環としてのイデアルは自明. よって零イデアルのみがRの素イデアル. これがR[x]でも素イデアルとなるのは, による. またR[x]がユークリッド環だからUFDであり, 既約元と素元は同じなので, 零イデアルでなければ素イデアルはR上の既約多項式の生成するものしかない.
記号を次のように導入する. 一般に環の拡大について, BにおけるAの整閉包をと書く.
prop. を環の拡大. (BはA上整). このとき次が成立する.
(i) をイデアル, なら, .
(ii) (SはAの乗法的集合).
pf. (i) がの縮小イデアルだから, 包含写像と自然な射影に対し, の核がになる.
そこで同型定理によって関係式:
が得られるので, は自然にの部分環と見做せる. 今度はこのからへの包含をjと置くと(これは単射),
の整従属を表す関係をで考え(つまりの像の中で考え), 次にだったから, 係数だけで自然にに引き戻せることから分かる.
(ii) なら, 上の整従属関係をの中でで割ったものを考えることによって,
を得る. これはの上の整従属関係を示している■
prop. L/Kが体の有限次拡大なら. である.
pf. , すなわち分離拡大の時は明らかであるからとする. まずとなる非分離的な元を一つ固定して考察する. LにおけるKの分離閉包をとすれば, は純非分離的である. 実際のK上の最少多項式は, K上既約な分離多項式と正整数によって
と表せられる. g(x)はモニックで, K上の最小多項式になっているから, . 故にが純非分離拡大であることが分かる. 上の既約な分離多項式gは次数を最小に取ってあるから, なるjに対し. よってと置くと, は純非分離的な元として, 上の形の最小多項式を持つことが分かる. よって.
g(x)のK上の次数をnとすれば, . これは仮定よりに等しいのでが分かる. のでの共役をとすれば(はLに入っているとは限らない), 分離性からこれらは全て相異なり, でなるものが取れる. これらは明らかに相異なり, であるが, 逆の不等号は常に言えるので結局
が言える. 最後に準同型の拡張が一意的に存在すること, すなわち異なる準同型の個数を変えないことを言う.
拡張の存在はSteinitzによる代数閉体の存在定理から従う. として, より,
を得る. 上で注意したように, はの上の最小多項式である. 正標数pを仮定してるからで, この根は一つしかないので, を決めればも一意的に決まる. なのではでの値で決まるから, これは確かに一意的な拡張になっている■
prop (Hilbert’s Theorem 90). L/Kが有限次ガロア拡大なら, 係数の1次元ガロアコホモロジーは自明である.
以下記述を簡単にするためと書く. を1コサイクルとする. に対し
とおく. は, Lに値を取る相異なる準同型写像として一次独立である(任意のについて線形関係を満たすなら, 係数が0でなくてはいけない). まただから, となるxがある. なら,
故にとなるとがあり, hはコバウンダリーになる. よって■