内容詳細について気になる方は動画を見てください. 気になった点をまとめてみました.
人類史的解釈
- 人がSNSを止められない理由は承認欲求ではなく、三大欲求よりも深いところにある生存本能.
- スマホは寝ながら2600回/日通えるパチンコ屋 (更新・通知がある度に確認したいという気持ち⇒確認する⇒通知があったの三段階で大きくなる報酬系ドーパミン及び依存性はパチンコと酷似. ドラッグとも類似).
- 人類は一つのことに集中している最中に敵に狩られないよう、周囲に変化が無いかちらちら見て確認する個体が生き残ってきた. ギャンブルをする個体 = 敢えて別のルートを通っていつも通り獲れるか分からない魚を探す個体 — が生き残っているので, 実は現代人の脳はSNS通知と魚が見つかったという報酬を区別できない構造になっている. その名残で同時にSNSをやっていたり, 二つ以上のことをするとドーパミンが出て(実際には成果が出てなくても)成果が出ていると錯覚する.
- 古来自分の意にそぐわない、又は嫌いな個体を自身の手で殺すと周りからの評価が下がり生存確率が低くなるので, 言葉の発展とともに殺したい相手の悪い噂を流し, 殺しを正当化する道具としての噂があった. SNSでの発信動機は, 原始的にはこのような生存本能に基づいた自己正当化にあると考えられる.
思考力・生活への悪影響
- スマホは集中力と時間が割かれる.
- 幾つかの研究で知能が低下する結果が出ている.
- スマホを置いているだけで知能が下がる (スタンフォード大の研究で, スマホを普段使っている人 (どれくらいかは不明)は, 10~15分触らないとストレス物質コルチゾールが出ることを確認. そのストレスへの対処に脳のCPUを使う).
- 同じ文面でも, URLがあるかないかだけで思考力が低下したという研究結果がある (URLリンク先はwikipedia等で, クリックはしない). これはリンクを押すか押さないかという判断に脳のCPUが割かれていることを示唆している.
所感
未だ認知できていないスマホの弊害がどれくらい大きいかということは、もうずっと前から懸念していた。この動画でハンセン著書の概要を知れて非常に良かったと思う。最近ようやくこの種の研究結果が過去10年越しで出てきたということで、あくまでヒューリスティクスの域を出ないとはいえ、過剰利用による影響について信憑性が高い指標や認識を共有できている気がする。
(電子書籍と紙面の書籍を与えた時に、大人と子供で理解度に差があった研究等から)webメディアや番組で見かける「子供にスマホを持たせるべきか」論議ではどちらかと言うと持たせないか、条件付きで持たせるのが良いという立場でいた。この条件について曖昧だったが、もう少し明確な意見を出せそうだ。
日本では酒やドラッグ、パチンコには年齢制限や法規制がされているが、スマホの利用については現状まだ何もない。上述のような専門家の意見や研究結果が蓄積されていった結果、(過剰利用の)弊害の深刻さが認識されると今後国内で規制も有り得るだろう。
簡単にできることとして、個人的に次のようなことに気を付けている:
- 時間帯制限 (寝る2時間前は見ない)
- 原則通知はオフ
- 仕事用とプライベート用でスマホを分ける (仕事では通知が必要なこともあるため)
- 出掛ける時はスマホをポケットではなく、カバンに入れる(簡単に見れなくする)
- 人前でスマホを触らない
皆さんはスマホ脳にならないよう気を付けていることはあるだろうか?