数列の部分和 の極限, 無限級数和の収束判定法は幾つか知られているものの, その和を求めるのは容易ではないのです。ここに自分用ノートとして重要なアプローチを解説します.
§1. 準備
まずよく知られている次の4つの級数展開をよく知っておくこと.
次に, これら4つの展開から他の初等関数の級数展開の導き方を知っておく.
例えば上記を(項別)微分しての展開を得る.
双曲線関数も, 対応する三角関数の展開式における(-1)^nの項を除いたものと考えれば覚えやすいだろう.
そして一般二項定理の適用例としても, 逆三角関数の級数形の良い特徴としても次の例は重要だと思う.
また, 求めたい級数の和が似通った既知関数に帰着できればいいが, 現実問題できない(もしくは思いつかない)ことがほとんどなので, 微分方程式と合わせて組み合わせ論的なアプローチも考えなくてはいけない. そこでまずは応用の広い多項定理を見ておこう.
具体的に無限級数和に応用するために, 次のような例を考えよう.
に対し, におけるの係数を見るのである.
この場合無限級数なので変数の数は無限()だが, の係数を見るのに以上の次数を持つ項は無用である. つまり上の定義における次元ベクトルは実際には次元ベクトルになる(も考える)ので, とおけば,
を得る.
このような具合なので, yの斉次方程式におけるk次係数はで与えられることが直ちに示される.
応用上も審美上も、線型微分方程式との兼ね合いで比較的容易に(解析)関数が決定されることがあるようなので, 具体的な計算に慣れておくことに越したことはないと思う.